理事長 戸田 樹

【はじめに】
私たち藤沢青年会議所が行う様々な事業が、社会課題の解決のためになっているのか、と思う事があります。
私たち自身を含めて、この時代に適し、本質を追求した前向きな変化の創造をまちや社会に対して与えることができているのでしょうか。藤沢市は現在44万人都市と言われており、現在も増加の一途をたどっています。2030年には人口のピークを迎え、その後人口は減少に転じ、2040年には市民全体の38%が65歳以上の高齢者となる見込みです。生産年齢人口が減少する人口構造においては、全ての世代の人々がまちに興味と関心を持ち、特に私たち青年世代が“未来へ”むけて、より多くの発展と成長の機会を促す行動が求められます。このまちを支える担い手として、明るい豊かな社会の実現、という先輩諸氏の志を受け継ぎ、藤沢青年会議所が地域と子どもたちのために活動を行う人々と連携し、青年会議所運動を展開し続ける必要があります。

【憧憬を抱かれる藤沢青年会議所になろう】
青年会議所運動は“今”より“未来”を、より明るくする方向に向かい、必ず社会課題や地域課題の解決の一端になるべきです。そして、まちづくり運動というのは、人がいなければ始まらず、“人づくり運動”をすることもできるのが私たち青年会議所という団体です。
青年会議所の運動をまちに響かせることで、興味、関心を得られます。明るい豊かな社会の実現のために、私たちは一人でも多くの仲間を募り、“共に歩んでいこう”、と声をかけなければなりません。そして、自分自身が広告塔である、という意識を持つことが必要であり、今よりもさらに自分自身に磨きをかけ“かっこいい大人”となり、今以上に藤沢青年会議所に魅力を感じる人を増やし、青年世代が藤沢青年会議所に憧れを持つ組織になろう。

私たちの可能性を広げよう
私たち藤沢青年会議所は、平塚青年会議所、茅ヶ崎青年会議所、寒川青年会議所と、広域的なまちづくりの検討を目的とした“湘南4LOMまちづくり会議”という会議体を年から続けています。先輩諸氏が築き上げてきた“湘南の青年会議所”という文化は、藤沢青年会議所にも大きな価値をもたらしましたが、新しい湘南4LOMの可能性を考えることも、藤沢青年会議所の財産になります。一地域を良くするという思考ではなく、社会性、地域性、多様性に富んだ思考を結晶化することで、より力強い“湘南藤沢”の未来が生まれます。
また、私たちは青年会議所運動の根幹を学ぶことが必要です。“青年会議所がなぜ必要なのか?”“なぜ青年会議所でなければならないのか?”について、多様な価値観を持つ我々一人ひとりが共通の理念を今みつめることで、5年後、年後の未来の藤沢青年会議所の為になり、このまちの未来の為に繋がるものにしよう。

子どもと未来のまちを作り進めよう
まちは、そこに住み暮らし、往来する人々によって創り上げられていきます。子どもから大人まで、様々な価値観を持った人たちが奏でる音色次第で、心地よいもの、居心地の悪いもの、となります。自分たちのまちをより良いまちにしたい。という気持ちは大人、子どもは関係なく、私たち自身の小さな思いや、ほんの少しの行動で大きな流れが生まれます。私たち藤沢青年会議所の運動が藤沢のまちを、“今以上により良くしよう”。と多くの人々に対して、関心と興味をもつきっかけを提供することが、“未来へ”むけて、持続可能なまちづくりへの一助となります。
また、より良いまちを考えるならば、まちの子どもたちに目を向けなければなりません。新型コロナウイルス感染症の蔓延により、自由な行動や移動を制限され、実体験での学びや経験する機会が極端に少なくなっている今、子どもたちの心には多くの発見が生まれる機会が必要です。発見は物事を知ることから始まります。見識を広め、多様な価値観を知ることが、想像力や創造性の第一歩となります。“まち”は“子ども”という考えで、一人でも多くの人々がまちに関心を持ち、多様性を育てる運動を展開することが、子どもたちの未来に繋がり、その未来が藤沢青年会議所にとっても、そして、藤沢のまちにとってもより良いものとなるようにしよう。

集合した力が未来を変える
組織とは、様々な目的や意図を持って行動する個々の集合体です。個々人がそれぞれの役割を全うすることで、目標達成を実現します。情報の共有を個人間、部門間を問わず行い、今、誰がどのような状態にあるのか、今後どのように進めていくのか、それらを常に意識しお互いがサポートすることで、組織全体の一体感と不足のない力強い組織が作られます。人と人が直接会って行う元来のコミュニケーションとWEB会議システムや、SNSを利用した現在のコミュニケーションを積極的に利用することで、限られた時間を有効的に使える組織になります。青年会議所を構成するメンバーの職業や、仕事の状況なども多岐にわたり、今までの役割分担では賄えきれない状況が生まれつつあります。当たり前のことを当たり前にこなし、常に運動を展開し、明るい豊かな社会の実現を志す組織としてのレジリエンスを高めるためにも、個の力に依存することなく、委員会全体で取り組むことが、個が集合した力を伸ばすことに繋がり、今まで以上に強い組織の未来の一歩にしよう。

2023年の神奈川ブロック大会に向けて
本年、2022年は平塚青年会議所が主管となり、神奈川ブロック大会が開催されます。同じ湘南で活動される平塚でブロック大会が行われることは、藤沢青年会議所としても大きな学びの機会を与えて頂けることは間違いありません。そして、同じ湘南の仲間として、翌年にブロック大会を行う立場として本年の大会に臨む必要があります。
2023年の神奈川ブロック大会の開催に向けて、各地青年会議所及び、神奈川ブロック協議会との連携強化や、行政及び諸団体と情報共有を行い、円滑な大会運営の基盤を作り、地域、市民、青年会議所の全ての未来が光り輝く大会になるよう準備を進めていこう。

【地域を知り繋げよう明日への運動】
青年会議所の運動はその時代とその地域にあわせて変化をし、各地でそれぞれに違った活動をしている。なぜ同じ活動ではなく、違った活動をしているのか。それは活動の根底にあるものが的確にそれぞれの地域の現状を把握していることにある。地域にゼロからイチを生み出すための事業を行う際に一番にすべきことは背景の確認と調査である。事業が地域に影響を与えるとしたらそのまちのニーズに応えることが必須となる。
人もまちも隣人や隣まちと繋がることで成り立っている。世界に目を向ければ、命を脅かす課題や人権、まちの未来を顧みない課題が散見してしまっている。それらの課題は決して対岸の火事ではなく、自分事として捉え助け合うことで解決できる課題だと思う。助け合いの中で藤沢は世界の一員として果たすべき役割があるはずだ。
その役割は何なのか、藤沢のまちができることは何か。
世界をリードするまちとして率先してSDGsが地域に馴染むように推進していき、市民一人一人の行動を変えていくことで、小さいかもしれないが、確かな一歩から始めよう。地域のブランドや価値を高めるために世界の課題に向き合い、持続可能な社会をつくることで、住み暮らすこのまちを豊かにできる。そのために地域の今を知り、明日のための運動を続けよう。
藤沢は温暖な気候風土や地理的な利を活かしたライフスタイルの人気もあり人口減少、消滅都市の危機と言われる現代において、今もなお人口は増加し2030年までそのピークは続くと言われている。その要因はどこにあるのだろうか。地域を知るために、まずは地域の基盤となる地域ネットワークである自治会・町内会等の地域活動に注目することで、若年層の地域活動の参画を促し、多種多様な団体との連携を広げよう。世界の中での藤沢と43万人の市民の繋がりで成る藤沢のマクロとミクロから地域を捉えることで運動の相乗効果を起こそう。

【結びに】
私たちは楽しい未来を想像し、新しい未来を創造する力を持っています。私たちの将来は私たちが決めることができます。藤沢青年会議所が、“明るい豊かな社会の実現”の為にも、多くのパートナーと手を取り合い、誰も聞いたことのない音を共に奏でるように、運動を展開し、藤沢青年会議所のメンバー一人ひとりがまちづくりの担い手として、まちの人々から「かっこいい大人」の代名詞と思われるような団体となるべく、理事長の職を邁進することをお誓い申し上げ、2022年度の理事長としての所信とさせて頂きます。

基本理念

「未来(さき)へ」

~多くの仲間と共に新しい音色を奏でよう~

基本方針

青年世代の憧れる存在となろう
今をみつめ未来を創ろう
持続可能な未来のまちづくりをしよう
柔軟で力強い組織を形成しよう
藤沢大会に向けて意識を加速しよう